夜間大学生あべのブログ

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明星和楽1日目のセッションレポート(2018/9/15)

朝起きると、Twitterのタイムラインに「明星和楽」というワードが飛び交っていました。
なんだその四字熟語的なワードは。

少し調べてみると

「テクノロジー・スタートアップ×エンターテインメント」のフェスティバル
http://hash.city.fukuoka.lg.jp/news/archives/202

とのこと。

たまたま知り合いの方がブースを出展しているということもあり、文化祭的なノリで行ってみることにしました。

ピッチコンテスト

ピッチコンテストとは

固く言うと

いわゆる「ピッチイベント」の出来を競う催しのこと。「ピッチイベント」とは、自社の事業計画や将来性を短時間で端的に述べ伝える催しであり、主にスタートアップ企業が投資家から出資を募るために行われる。ピッチコンテストの場合は複数の発表者が登壇し、その中から大賞あるいは最優秀賞を選ぶ形式で行われる。
ピッチコンテストとは - 日本語表現辞典 Weblio辞書

だそうです。

登壇されたのは

  • 株式会社chaintope:ブロックチェーン研究
  • 株式会社ムスカ:イエバエを使った肥料・飼料による食糧問題解決
  • 歯っぴー株式会社:歯垢の可視化による健康増進
  • 株式会社トルビズオン:ドローン飛行権のマッチングサイト
  • 株式会社Pear:AIを使ったECサイトコンサル
  • 株式会社ブルースタイル:子供服の物々交換

の6企業。

それぞれ3分間のプレゼンと2分間の質疑応答という、かなりサクサクした時間設定でした。

虫で世界を救う

僕が特におもしろいと思ったのは、株式会社ムスカのお話でした。
将来、世界の食糧事情としてタンパク質の供給ができなくなる、それを解決するためにイエバエを育てて魚のエサにするという事業をされています。

愛媛大学との共同研究によると、ハエの幼虫を混ぜたエサで育てられた魚は、通常より病気に強くて体も大きくなるとのこと。
また、幼虫の排泄物は農作物の肥料として活用でき、こちらも高い効果があるそうです。

通常は人間に忌み嫌われているハエを活用するという事業がとても衝撃的でした。

プレゼン手法としては、話の「つかみ」で『たんぱく質危機』という耳慣れない言葉を取り上げて聞き手の関心を煽ったり、プレゼンの中で大きくハエの画像を出したりしてインパクトを残していたところが参考になりました。

審査員の質問

コンテストの審査員がプレゼンテーターに投げた問いとしては、

  • なんでこれをやりたいんですか?
  • これを使って、何をしたいんですか?

といった、ある意味素朴な質問が多かったのが印象的です。

「何がしたいか、それによって世界をどう動かせるかをイメージさせられるようなプレゼンが良いプレゼンだ。」
っていう司会者の人の言葉もアツかったです。

トークセッション

続いておこなわれたのは、ライターのヨッピーさん・CAMPFIREの家入さん・近大教授の寺井さんによる、「メガ地方都市が抱えるパラドックス~地域振興2.0~」というトークセッションです。

ここでいうパラドックスとは、2つの事象を指しています。

①福岡市は現在人口が増加していて経済的にも発展を続けており「東京に追いつけ追い越せ」といった雰囲気がある。しかしこのまま発展していけば「東京のコピー都市」のようになってしまい、「福岡の良さ」が失われていくのではないかということ。

②過疎化が進む「周回遅れ」ともいえる地方の中には、長野県阿智村島根県海士町のように逆に目立てている自治体もある。そのような場所と比較して福岡県のようなメガ地方都市は、地方都市としての独自な価値を逆に作れていないのではないかということ。

です。

何を目指して地方創生をするか

家入さんが「福岡が発展してる実感があってそれが良いと思う人は手をあげて」と参加者に促すと、ほとんどの参加者の手が上がりました。
人口増加率や人口に対する若者の割合が高いなど、福岡市は発展を続けています。

そして続けての「福岡が東京みたいなところになったらイヤだなと思う人は、手を挙げて」との質問にも、会場の7割程度の参加者が挙手しました。

寺井さんはこの様子に警笛を鳴らした発言。
「放っておいたら福岡市は経済発展して、東京みたいに土地の値段が上がって家賃が上がりチェーン店が増えていくのに、ここにいる人たちはボンヤリしているなあ」と。

なんとなく地方創生をしていくと、自分たちの街が自分たちの意思とは離れた場所になってしまう、ということなのでしょうか・・・。


福岡の良さとはなんぞや

「よく福岡の良さとして挙げられるものは、ごはんおいしい・女の子かわいい・家賃安いの3つ」とヨッピーさん。
確かに、これらは体感としてもデータとしてもよく挙げられる事実です。

しかしこれに、「別にこれって、福岡に限ったことじゃなくてどっか別の場所にも、ごはんおいしくて女の子かわいくて家賃安い場所はあるよね?」と家入さんが問いかけます。

ヨッピーさん、「2020年の5G導入を境に、人が仕事のために東京に縛られる必要がなくなって、地域がフラットになっていく。その時に各地方は、どうしていくのか?」。

働き方が多様化していく中で、どんな働き方ができる場所にしていくのかが問われるのだろうと思います。

地方創生の際に重要なのが、その地域の人が主導していること。
広告代理店が主導する地方創生はパッとしなくて、地元の人が頑張ってるところは目立ってるところが多いそうです。

長崎県平戸市は、ふるさと納税で日本一になりましたが主導したのは一人の市役所職員。
前述の長野県阿智も観光局の職員さんが、地域住民をまとめあげて「日本一の星空」で観光地として盛り上げていったそうです。

「ここに僕ら東京の人間を呼んでる場合じゃない。地元の若いヒーローをお神輿で担がなきゃ地方創生はできない。地元の中高生がロールモデルにできるようなヒーローを作らないと、続かない。」という話がおもしろかったです。

なんて堅苦しく書いてきましたが、実際はゲストの3人がお酒を飲みながらたびたび爆笑が起こる楽しいトークセッションでした!*1


参加してみて

ピッチコンテストを見ていて思ったのが、「これで社会を変える・世界を救う」といった強い信念をもとに主張をする人は本当に強いなということです。
自分のしていることに価値があると確信してプレゼンしている姿に、とても憧れました。

来月は学生向けのスタートアップイベント「TORYUMON」に行ってきます。
今回のイベントはなんとなくで参加したところがあるので、TORYUMONは

  • 何を知りたいか
  • どんな人とつながりたいか
  • それらの目的

をしっかり決めて参加しようと思います。

*1:発言の順番や発言者、内容が間違っていたらすみません。