アニメの設定考証という仕事について
SmartNewsでニュースをザッピングしていると、こんな記事を見つけました。
news.biglobe.ne.jp
放映中の映画「機動戦士ガンダムNT」で、”「主にヘリウム3備蓄基地とそこに関する様々なアイディア」”を出していた小倉さんという方の名前がエンドロールに記載されていなかったとのこと。
仕事上の成果を示すクレジットから名前が抜けているのは、非常に心外なことだろうと思います。
さて、この設定考証という肩書。
いったいどのような仕事をされているのか気になって調べてみました。
設定考証とは
SF作品で描写されている内容が、SFにおける約束事や、科学の基本的な原則に従っているかを検証する作業である。
SF考証 - Wikipedia
なるほど。
たしかに、物語の中であまりにもリアリティのない場面を見ると興ざめしてしまいます。
どんな仕事か
この記事では実際にアニメの設定考証をされている高島雄哉さんが仕事内容や魅力、なり方、給料などについて語っています。
この方は大学で物理学を専攻しており小説家としてSF小説を書いていたら、縁ができて仕事を頼まれるようになったとのこと。
化学、物理学、医学だけではなく、時には人文学や芸術や経済の分野まで取材して、物語世界を形作っていきます。
描いたキャラクターが直接視聴者の目に触れるわけではなく、クレジットから忘れられてしまうことすらある大変地味な仕事ですが、物語世界にリアリティを持たせてより豊かな表現にする重要な役割だと分かりました。
記事の最後にある
設定考証は現実と作品を結びつける仕事であり、既知から未知を、現在から未来を作り出す仕事
という一文がとてもきれいですね。
また調査の中で、下調べにはサイニィやグーグルスカラーを用いて論文と研究者を探すとのこと。
研究職以外で実務でこれらを使っている仕事があるのだと発見でした。
おわりに
今回、設定考証という仕事について調べてみて、めちゃくちゃおもしろい仕事だと感じました。
様々な事象について論文読んだり研究者に取材したりして、チームで共有し作中に落とし込む。
設定考証は映像作品だけでなく、ゲーム制作にも必要な仕事です。
次の謎解きゲームやTRPGのシナリオ作成の際には、設定考証の段階も踏んでみます。
あと、ゼーガペインとブルバスターめっちゃおもしろそう。
*1:映像作品における「考証」には歴史考証、衣装考証などもありますが、ここでは科学的考証について考えます。