夜間大学生あべのブログ

日記・考えたこと・旅・研究・読んだ本について書きます

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20190602_大学生アイデアソン ~Xperia Hello!で創る未来の大学 2020~【参加記録】



久留米で、大学生向けのロボットアイデアソンがおこなわれるとの情報が。
2年生の冬休みに先輩と一緒にアイデアソンは出場したことがあり興味があったので、今回も参加することに。

↓↓↓昨年の様子はこちらの記事に載せてもらっています。
robotstart.info

会場へ

初久留米。
西鉄電車を使ったのですが、なかなか遠い。
ここから通ってる人、すごい。

たったひとりのアイデアソン

実はアクシデント。
2日間のプログラムでしたが、誘った後輩たちが補講のため、1日目は会場に来れなくなりました。

ということで、僕以外の3人はLINE通話とGoogleドライブでバーチャル参加。
僕が会場での進行を聞いてワークの内容をみんなに伝え、アイデア出しやブラッシュアップをしていきました。

広い机に僕ひとりが座って、ぶつぶつ言いながら(通話中)作業しているのはなかなか異様な光景だっただろうなあ。

ボドゲ

キャット&チョコレート』。
まさかの、持ってるゲーム。
他のチームに混ぜてもらって、インストもしてました。

使用ロボットについて

今回の使用ロボットは、ソニーXperia Hello!
話しかけた人の方向に顔が向く機能があるのですが、その認識が画像認識によるものとの新たな知見。

結果

出したアイデア


テーマは大学の中でのXperia Hello!活用でした。
大学ならではの活動として、ゼミ活動があります。

そのゼミ活動で学生と共に学ぶ”ゼミ長ロボット”のアイデアでプレゼンをしました。

考えていたこと

大学ならではの活用方法か

テーマが大学なので、他のシチュエーションをそのまま持ってきてもつまらない。

ロボットに人間の組織における役割が付与されているか

Xperia Hello!はコミュニケーションロボットとして「家族の一員」になるようなコンセプトのもと設計されています。
その設計コンセプトに沿っているかどうかも、重要な講評基準でした。

特に今回は、ロボットの衣装を作るメーカーさんもスポンサーになっていたということもあります。
robo-uni.com

こちらの会社では、人間の制服はその職業や立場を視覚的に明確にするものであることから、「ロボットが社会の中で活用されるにあたって、そのロボットが何をするロボットなのか、服装で明確にする必要がある」という理念で、ロボット用の衣装を販売しています。

審査されるアイデアの中には、衣装のデザインも含まれていたのでこだわる必要がありました。
デザインは荒瀬くん(id:PONAPALTA)がしてくれて、青色(知性の象徴)をしたアカデミックドレス(優秀な大学生をイメージ)でした。

Xperia Hello!である必要性はあるか

他のロボットではできない、Xperia Hello!の特徴を活かしたものになるようなアイデア

実現可能か

「強いAI」を使うような、現時点では実現できないアイデアはあんまり意味ない。

おもしろいか

実現したら楽しそうだね!ワクワクするね!って思ってもらえるかどうか。



感想など


イデアを出す過程で、久留米工業大学の先生にかなりヒアリングへのご協力やアドバイスをいただきました。
思いついた機能について、それが必要か?教育効果はあるか?と深く掘り下げる助けをいただき、大変勉強になりました。

サービスの開発のためには、今回であれば学生というひとつの立場だけでなく、運用することになる先生の観点からも見る必要があることを実感しました。


最優秀を取れなかったのは普通に悔しいです。

  • 1日目の人数不足によって作業量が足りず、ポスター発表をそのままスライド発表にしていたこと
  • 最優秀のチームはスライド綺麗・寸劇を演じるなど見せ方もうまかった

いただいた賞は、運営した学生団体が実現したい!と思えるアイデアに贈られるものとのことで、内容としては全く負けている気はしないです。
ただ、見せ方・アイデアの尖らせ方が足りなかったのかなと思っています。

実用性があることとおもしろさのバランスが、審査員の方の考えるところと少し違ったのかなという感じです。

大学4年生なので、もうなかなかチャンスはないかもしれませんが、アイデアソンがあればまた参加したいです。
やる以上は、どこかで勝ちたいので。

マコップ講義から考えた、テストプレイにたどりつけない理由

今日はクリエイティブ・マネジメントプログラム(@Fukudai_MaCOP)の講義で、リブゼント・イノベーションズの橋本さんにタスク管理についてお話を伺いました。

ゲーム制作でも他のプロジェクトでも、全てが当初の計画通り進むということは絶対にないものです。

そこで今回は、プロジェクトをなるべく目標通りに終わらせるタスク計画について教えていただきました。

その4ステップとは、

  1. 作業項目を洗い出す
  2. 項目ごとに時間を見積もる
  3. 作業可能な時間を見積もる
  4. 作業に優先順位をつける

ということ。

これだけ聞くと、至極当たり前のように思えますが、その一つ一つを見つめるとタスク管理の重要性が理解できました。

デバッグは大事だよ

特に今の自分にとって必要だと思ったのが、項目の洗い出しと時間の見積もりに関する、製作フェイズと時間配分について。
ゲーム制作は主に、設計・本制作・ブラッシュアップという3段階がありますが、この各段階にかける時間は1:1:1が望ましいとの話。

本制作にかける時間を大きくしてしまいがちですが、設計とブラッシュアップ(テストプレイやデバッグなど)こそ重要だということでした。

自分が謎解きゲームを作る時、制作ながら設計しなおして、最後の最後で切羽詰まってからデバッグというスケジュールになりやすく、タスク管理の必要性を感じていました。最初の計画段階からテストプレイの工程をしっかりと確保するべきだと思わされました。

自分の場合なぜテストプレイをなかなか始められないのだろうと考えたところ、要因が2つほど思い当たりました。

計画精度の甘さ

上記のステップを見てみると、当たり前のことが書いてあると感じました。
僕も謎解きを作るときには、小問を何問作ってそれに何時間くらいかかって・・・といったざっくりとした時間配分をしていました。

しかし、それらの1問1問にどれだけ時間がかかるか、デザインをするのにはどのくらい時間がかかるか、自分の可処分時間は実際にはどのくらいか、どの部分を最も優先して制作するか、テストプレイは誰にいつ頼むか、などの計画精度がとても甘かったと感じました。

作業項目の洗い出しを体験するワークでは、一つ一つの作業は思いつきやすいけど、大きなくくりの作業ほど忘れがちで、その大項目が出るとさらに小項目が出てくるということを実感することができました。
まずは、これまでの制作過程を振り返り、どういった工程にどのくらい時間をかけていたのか、自分の中でデータを貯めていって次に活かすことが重要だと気づきました。

制作スキル不足

テストプレイをするためには、ゲームをアルファ版と呼ばれる、全体通してある程度遊べる形にまで作る必要があります。
このアルファ版をつくるのが本制作フェイズ。

本制作フェイズでは当然、設計に沿った問題を作ったりスライドや小道具として形にしたりといった作業があります。
その作業では、作問スキルや各種作成ツールを使いこなすスキルなどが高いほど、進捗が良くなりアルファ版にたどり着くのが早くなります。

謎スライドを作っていると、「こういうのってどうすれば作れるんだろう?」と作り方を調べながら制作することがよくあります。
もっと制作を繰り返し、スキルを身に着けたり、作り方のバリエーションを増やすことで、アルファ版にたどり着いてテストプレイをする時間を確保できると思いました。

テストプレイの際にはあらかじめ見るべき項目を決めておき、作り込んでいくことも忘れないようにしたいです。

まとめ

今回学んだタスク計画の考え方・手法は、ゲーム制作のみならず何にでも使えることでした。

そう考えて自分のこれまでを振り返ると、試験勉強ではかなり精度が高くこの計画をできていた気がします。
各科目のテスト範囲を洗い出して、それを網羅するのにかかる時間を見積もり、優先すべき教科を考えて、自分の空き時間にそれを当てはめる。といった具合にです。試験期間各日の「がんばらなきゃいけない度」みたいなものも指標として出して、比較的負担が少ない日の前はお酒飲んでいい、みたいなこともして息抜き・モチベーション管理もできていました。

大学の試験勉強は、ゲーム制作や企画といったプロジェクトに比べれば単純な事柄です。
今の自分が単純な物事ではできていることを、より複雑な物事で応用できるように、今回の講義で抽象化して学ぶことができ、とても大きな学びだったと感じました。

【謎解き論文No.3】"謎解き"を取り入れた主体的・協同的な科学の学び(2015)

今日の論文

「"謎解き"を取り入れた主体的・協同的な科学の学び」
ci.nii.ac.jp

  • 日本科学教育学会研究会研究報告 30(5), 1-4, 2015
  • 長谷亜蘭

抄録

"謎解き"は,ある設定されたストーリーに沿って,様々なクイズやパズル形式の問題を解き明かし,与えられた最終目的を達成するまでの問題解決能力が試されるゲームである.この謎解きを科学教育に取り入れることによって,子ども達の興味を惹くだけでなく,楽しく頭を使って学習できる機会を与えることができ,大きな教育効果が期待できると考える.さらに,チーム制の謎解き活動により,主体的・協同的な学びの促進効果も期待できる.本報告では,科学教育に謎解きを導入した事例を紹介するとともに,主体的・協同的な科学の学びへの効果について述べる.

今日は淡々と。

これまでの謎解き論文

chitabea.hateblo.jp
chitabea.hateblo.jp

【謎解き論文No.2】江別市リアル謎解きゲーム問題作成プロジェクト実践報告(2017)

今日の論文

江別市リアル謎解きゲーム問題作成プロジェクト実践報告*1
ci.nii.ac.jp

著書の斉藤先生

以前、福大に来られていた斉藤先生に直接お話を伺った時のお話
chitabea.hateblo.jp

要旨

江別市リアル謎解きゲームは、江別市内の観光スポットや店舗を巡りながら、江別市に関わるクイズ形式の問題を謎として解いていく参加型のイベントである。江別市リアル謎解きゲームは、参加者のニーズに合わせた「徒歩・初級編」、「徒歩・上級編」、「ドライブ編」の3つのコースが設定されている。本稿では、本学学生が担当した「徒歩・初級編」、「徒歩・上級編」の問題作成についての報告を行う。

感想

難易度調整本当に大事。特に、難しくすることは簡単だけど、楽しくて簡単なのって作るの苦労する。

参加者は隣の市からの流入が多かったとのことで、やはり謎解きを道具に地方に人呼ぶって効果ありそう、という話。

【謎解き論文No.1】観光資源学習のための体験型謎解きゲームの企画と実証(2015)

今日の論文

「観光資源学習のための体験型謎解きゲームの企画と実証」
digrajapan.org

概要

観光事業は地方都市の活力を生み出す事業である.しかし地域住民が観光資源に興味がなく,観光資源を遠方からの来客に案内できない,並びにそれを活かした街づくりに積極的に参画していないという課題がある.そこで本研究では観光資源への興味喚起を目的とした体験型謎解きゲームとして,宮城県仙台市の歴史を学びながら史跡を周遊する「政宗の試練」を企画及び実施し,観光資源学習における体験型謎解きゲームの効果を検証した.

内容

仙台市で周遊型謎解きゲームを企画し、そのアンケート結果をまとめた論文。

ゲーム参加者の参加動機は「謎解きゲームが好きだから」「おもしろそうだったから」が上位を占め、『観光周遊を体験型謎解きゲームと結びつけることで参加者を獲得するという目的は達成できた』と考えられます。

また、参加者の8割弱が「ゲーム中に訪れた施設にもう一度行きたい」と答えました。このイベントが観光地への集客に一定の効果があったと言えそうです。

感想

このイベントを企画したグループである「謎社プロジェクト」は、その後も謎解きゲームの製作団体として活動しているようです。

nazomori.com

定期的に仙台を舞台にした周遊型公演を開催しておられます。

体験型謎解きゲームはリアルとゲームの世界を結びつける、優れたツールです。謎解きゲームがメジャーな遊びになりつつある今、地方の観光資源を、謎解きを使って引き立てていくことには、大きな可能性があるのではと思います。